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新規就農応援事業

新規就農応援事業の実施概要

特集4食と地域支える農業にやりがい②(JAふくおか八女管内)

入江司さん(左)からアスパラの茎を切る指導を受ける入江翔一さん
入江司さん(左)からアスパラの茎を切る指導を受ける入江翔一さん

福岡県のJAふくおか八女管内は、イチゴ「あまおう」やナス、アスパラガスなど、施設園芸で新規就農を目指す人が多い。平成25年度は6人が、研修生としてベテラン農家のもとで学んでいる。

JAふくおか八女

「これぐらいの色になったら、茎を切るんだ」。
入江翔一さん(29)は25年6月から八女市立花町で、入江司さん(54)にアスパラガスの栽培を教えてもらっている。

晩秋まで葉を茂らせ地下茎に養分を蓄えたアスパラは、冬には枯れて黄化する。その茎を根元から切り、2月から出る春芽を収穫できるよう準備するのだ。

翔一さんの実家は地元のミカン農家。宮崎県内の大学で園芸を学び、野菜の流通も分かるよう、福岡県久留米市にある青果仲卸会社に就職、6年間勤めた。

就農を志したのは「農業は自分の夢を形にしやすいと思った」からだ。「創意工夫し自分で考えたことを、会社で働くより自由に取り組める。その結果も、自分でやったことなら納得がいく」と話す。

アスパラガスは、1度植え付ければ10年は収穫できるなど、コストがかからず取り組みやすいから選んだ。栽培では生産履歴を記録するだけでなく、写真もこまめに撮るなど、データを大切にしたいという。施肥などで無駄を省き、原因と結果を分析すれば次の年に生かせるためだ。

研修を受け入れる入江司さんは、翔一さんについて「まじめで、研究熱心。地域の後継者を引っ張る存在になっていってもらいたい」と期待する。

翔一さんは将来、新規就農の研修生や高齢者ら地域の人材を生かした農業経営を考えている。自ら販売先を開拓し、雇用も生み出して、地域活性化につなげる経営が夢だ。

JAふくおか八女管内で研修生は、国の青年就農給付金で年150万円、市などからも同30万円の助成を受けて、就農を準備する。一方、研修受入農家には新規就農応援事業の活用を勧め、「受け入れに掛かる費用を、少しでも軽減できるようにしている」(同JA農業振興課)という。

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