JAバンクアグリ・エコサポート基金

JAバンク

新規就農応援事業

新規就農応援事業の実施概要

特集1 安全・安心目指し地域に根差す(岩手県一関市・(有)かさい農産)

夢の実現に向けて前へ進む、かさい農産の(写真左から)葛西信昭会長、葛西亮介社長、石田良知さん、藤森ゆかさん、藤森学さん
夢の実現に向けて前へ進む、かさい農産の(写真左から)葛西信昭会長、葛西亮介社長、石田良知さん、藤森ゆかさん、藤森学さん
岩手県一関市

岩手県一関市の中心部から東へ車で約20分。のどかな田園地帯が広がる中に「かさい君ちのお野菜」と記した大きな看板が一際目を引く。
ハウスと露地を合わせ約360アールで小松菜や水菜、ホウレンソウなどの葉物を中心に約15種類の野菜を生産する(有)かさい農産の事務所に掲げた看板だ。

「農でつながる 農で輝く」を理念に据える同社では、安全な農産物の生産を通して、持続可能な社会の実現を目指す。
新規就農者支援では多くの研修生を受け入れ、希望者には、就農先の候補地選定から就農までを支援する。新規就農応援事業を活用し、これまでに研修生5人が巣立った。

同社はJA岩手県信連の担当者の紹介で同事業を知った。
信連の職員が同社に事業の活用を呼びかけ、JAいわい東のサポートなどを受けてきた。事業の活用が縁で、JAバンクの融資を受けるようにもなった。

現在、事業を活用して技術を学ぶのは、市内に住む藤森ゆかさん(21)。幼い頃から祖父母の家庭菜園作りを手伝い、野菜を育てる楽しさに魅せられた。
高校の農業科を卒業した後、同社に就職。一足早く研修を終え、就農していた夫の学さん(33)と昨年、結婚した。学さんは埼玉県で会社務めを経験した後、故郷での就農を決意。同社で研修を重ねた。

同社はGAP(19年に「GLOBAL GAP」を、20年には「JGAP」)の認証を取得。研修生には栽培技術や先進地の農家視察、GAPの講習や販売実習など、食の安全・安心に関わる知識を叩き込む。
ゆかさんは「家族で作った野菜を一人でも多くの人に食べてほしい」と研修に励む。50アールにハウス7棟を建てて葉物栽培に取り組む学さんは「数え切れないほどの失敗もあった。
でも一生懸命やっただけ、野菜は応えてくれる。ここで規模を拡大しながら、家族みんなで輝きたい」と夢を語る。

システムエンジニア(SE)から転職した石田良知さん(38)は、23年から同社で従業員のスケジュール管理やデータ管理などSEとしてのキャリアを生かす研修を重ねてきた。
事業を活用し、昨年からは栽培技術を学ぶ。SE時代の蓄えと自治体からの補助金を活用し、来春、就農する目途がたった。「農業だけで暮らしが成り立つような自立した農業を目指したい。たくさんの人たちと交流を重ね、農業で食べていけるモデルになれたらいい」と未来予想図を描く。
代表取締役会長の葛西信昭さん(55)は「東日本大震災以降、みんなの価値観が変わった。それぞれが地域農業の大切さを改めて感じたと思う。研修生の受け入れで地域貢献をしたい。事業はそれをサポートをしてくれるので非常に助かっている」と喜ぶ。

↑ページトップへ戻る